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行列のできる法律相談所:娘を手助けするな?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:娘を手助けするな?!

娘を手助けするな?!

 女性Aは主婦。
 娘は高校3年生。大学受験の為、友人の家に勉強しに3日間泊まりに行った。
 女性Aは、数日後、夫と一緒にその友人の家に挨拶しに行く。
 しかし、友人の家に、娘の姿はなかった。
 実は、娘は彼氏と一緒に旅行に行っていたのである。
 友人と、友人の母親は、女性Aの娘が彼氏と旅行するのを黙認し、手助けしたのだった。
 娘がそんな事をしていたなど想像すらしていなかった女性Aは、激怒。娘に何かあったらどうしてくれる、と。
 女性Aは、友人の母親から慰謝料を要求。
 果たして、娘の親の意向に反する行動を手助けした友人の母親から慰謝料を取れるのか?

判決」では、菊池弁護士以外が「慰謝料を取れない」の見解を出した。

北村弁護士の見解:慰謝料を取れない
これは慰謝料取れません。高校3年の娘が嘘をついている事を知りながら、親に言わなかったに過ぎないんですね。これを違法と言う為には、貴方の娘さんは私の所に泊まると嘘を付いて、彼氏と旅行に行く計画をしてますよ、と法的な義務として言わなければいけない、と言えなければいけない。それはですね、社会の価値観の問題なんですけどね。僕の家でいったら絶対駄目ですよ、そんな事。でもそれを『皆でしなければいけない』価値観があるか? 法的な義務としてまで言えるかと

 北村弁護士の見解は、いかにも法律家、といった感じの内容。
法的には、娘の行動を友人の母親が通報する義務はない。したがって、通報しなかった事は違法ではなく、慰謝料は取れない
 法律を杓子定規に解釈するとそうなってしまうが……。
 そこまでして適用していいのかね、と思う一方で、他人の家のルールを押し付けられたら堪らない、というのも納得出来る。(^~^;)

住田弁護士の見解:慰謝料を取れない
慰謝料取れません。今回の場合は社会的な相当性を著しく逸脱したら『不法行為上の慰謝料』という形で違法になるのですけど。例えば物凄く年齢が低い、変な大人と付き合っている。そういう意味では高校生の友達同士の付き合いとなると許されると思います

 住田弁護士の見解は、具体性に欠ける感じ。
『相当性を著しく逸脱』のさじ加減が難し過ぎる。
 ある人にとっては社会的相当性を逸脱していないと感じる者や行動も、別の人からすれば社会的相当性を完全に逸脱している、と感じる場合がある。
 今回の件も、女子高生を3日間も連れ出す高校生男子を、「社会的相当性を逸脱してない」と見なすには、無理がある。
 その一方で、それを一々取り締まっていたら高校生は何も出来なくなってしまう。(^~^;)

本村弁護士の見解:慰謝料を取れない
友達の母親がどの程度関与したか、というのがポイントです。もしウチでお嬢さんをお預かりするから大丈夫ですよ、とか嘘を付いていた場合は慰謝料が取れると思います。だけど、知っていて黙っていたというだけですから、積極的に嘘をついた訳ではない。この程度で慰謝料は無理ですね

 本村弁護士の見解も、評価が難しい。
『積極的な嘘』の判断基準が分かり難いから。
 友人の母親からすれば、『自分は積極的に嘘をついていない』のかも知れないが、女性Aからすれば『積極的に嘘をついた』という事になるのだろうから。
 いざ裁判になったら法律はどちらの味方になるのか。(^~^;)

菊池弁護士の見解:慰謝料を取れる
3日間家を離れる。親はどこに行っているか把握出来ていない。何かもしあった場合に最終的に責任をとるのは子供であり、その親でありですね。友人の両親はコントロール出来ない訳ですよ。これはそんなに高い慰謝料じゃなくても、友人の親は、それだけの責任を覚悟しなければいけないケースだと思います

 菊池弁護士の見解も、非常に合理的。
 親である女性Aは、娘の居所を3日間も把握出来ていない。
 その状況を作り出した友人の母親は、女性Aの親権を侵害した、と見る事も可能。
 ただ、今回の場合、娘は高校生で、未成年ではあるもののある程度の自己判断は出来る状況にある。
 友人の母親に責任を全て被せられるかは疑問。
 無断で3日間も家を出る娘に育ててしまった女性Aの責任はどうなる、という事になるから。(^~^;)

 今回の件で一番悪いのは娘なのだから、他人を訴える前に娘を叱るのが先決だろう。
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瓦版

これはもう、全然話にならないですね。こんなもん、問答無用で慰謝料なんか鐚一文足りとも取れるわけがありません。前にも本件と非常に酷似した案件がありましたので、恐らく、今回もそんなことだろうとは思いましたけれども、図星でした。正直言って、本件のバカ親の言い掛かりがあまりにも馬鹿馬鹿し過ぎて、正面に見解を出す気にもなれず、目眩がしてきます。まず、抑、高校生が外泊することはごく有り触れた話であって、犯罪でも何でもなければ、違法になる余地なんか何処にも無いわけなんですね。まぁ、この娘が未成年である確率は高いですけれども、控え目に見ても17歳以上であることは明白ですから、ある程度の善悪の判断ぐらいは出来る筈。また、高校生~大学生ぐらいの年代は恋盛りでもあり、未成年だからと言う理由だけでそれぐらいのことであんな風にガタガタ騒ぎ立てるバカ親は親失格ですよ。高校生が外泊すると言い出したら、大抵はこういう理由によるものなんだなと親は考えるべきなんです。まぁ、尤も、校則で男女間の恋愛が禁じられていると言うのであれば、そういう校則がある高校に通う何れか乃至は両者諸共退学になるだけの話であり、学校であるまいにも拘らず、他人の恋愛に親が口出しする資格なんか未成年で結婚するということにならない限り、無いと言うことです。故に本件は高校生の恋愛が違法だと証明出来ない限り、慰謝料なんか全く請求出来ないということです。
by 瓦版 (2011-08-16 10:20) 

リニア大佐

初めまして、高校1年のリニア大佐です。先輩である電車侍さんに勧められて初めてこのブログに書き込みに来ました。よろしくお願いします。さて、これは法律問題ですから、法律と照らし合わせて考える必要があると思います。娘が外泊する事が良くない事なのかどうかはちょっと分からないです。しかし、これを慰謝料の対象にする為には、友人の母親が「貴方の娘さんは私の家に泊まると嘘をついて、彼氏と旅行に行こうとしています。」と法的な義務として言えなければいけません。それを友人の母親は全く行っていません。ですからこれは慰謝料を取るのはちょっと難しいと思います。それでは失礼します。
by リニア大佐 (2011-08-16 12:39) 

ブロガー(志望)

お邪魔します。
 法律は社会のルールの「ほんの一部分」にしか過ぎません。「これが
守られないと社会がもたない」部分を国家権力で担保する「最低の道徳」
です。この事例は「国家権力で担保しなければならない」事例とは
思えません。それと「慰謝料」といってもそれで「何を」回復するのかが
良く分かりません。どちらかと言えば「罰金」「制裁金」の意味合いが
強いように思われますが、法治国家で「個人の個人への制裁」が
どこまで認められるのでしょう。

>娘を叱る

とありますが、相手は高校生ですし明らかに「確信犯」でしょう。ですから
「嘘つきは信じられない。」で「今後一切の外泊禁止」「その友人との
交際の制限」で、「思い通りにしたいのなら自立自活しろ。
自立自活の後は彼に妊娠させられようが暴力を振るわれようが
アドバイス以上の事は一切しない。」とでも言うしかないのでは
ないでしょうか。
by ブロガー(志望) (2011-08-27 14:10) 

つるゆう

これは完全に取れます。
本来なら大学受験の勉強という生産性のある目的で外泊していた訳ですが、実際は旅行に行っていました。これにより本来の目的である勉強に割ける時間が取られているのは明白ですから、これは実害として捉える事ができます。

by つるゆう (2015-05-26 22:27) 

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