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行列のできる法律相談所:勝手に真似するな?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:勝手に真似するな?!

勝手に真似するな?!

 女性Aは会社では美人で評判のOL。
 ある日、会社にいると、同僚の女性社員に携帯が鳴ってるよ、と言われた。
 女性Aは自分の携帯をチェックしたが、鳴ってはいなかった。
 側にいた男性社員Aの携帯が鳴っていた。着信音が同じだったのだ。よく見てみると、機種もストラップも彼女の携帯と同じ。
 その時は単なる偶然だと思っていたが……。
 女性Aは鞄を買い換えた。そうしたら数日後、男性社員Bも鞄を同じものに買い換えて出社。
 女性Aは手作りの弁当袋に弁当を入れて出社していたが、男性社員Bは自分の弁当袋もよく似たものを持ってくるように。
 そして数週間後。
 女性Aは髪を染め、眼鏡をかけるなど、イメチェンして出社。
 ……そうしたら、男性社員Bも同じように髪を染め、同じデザインの眼鏡をかけて出社してきた。
 ここまで来ると似ているのは単なる偶然とは思えない。
 社内では、女性Aは男性社員Bと付き合っているのでは、と噂されるように。
 女性Aは堪りかねて男性社員Bに真似をするな、と要求。
 しかし、男性社員Bは好きな人の真似するのがどこが悪い、と開き直る。
 女性Aは激怒。迷惑をかけられたのだから慰謝料を貰う、と主張。
 何でも真似したがる同僚の男性社員から慰謝料を取れるのか?

判決」では、北村弁護士以外が「慰謝料を取れる」の見解を出した。
 その結果、何でも真似したがる同僚の男性社員から慰謝料を取れる可能性は70%に。
 最終的には、「ただし、付きまとったりせずに見てから真似するだけなら慰謝料は難しいでしょう」で締めくくられた。

北村弁護士の見解:慰謝料取れない
これは、慰謝料取れません。この女性は、『私の真似するのはやめて』と言ってますね。ということは『付きまとうのをやめて』とは言わない程度の付きまとい。そうすると、問題になってくるのは、真似するのがどうなのか、という話になります。たとえば顔を整形して同じ顔にしたなら話は別だけれども、この程度の自由はある。
 住田弁護士に対して:
付きまとってることを、誇示してないでしょ、別に。誇示してない!

 北村弁護士の見解は、女性Aの要求を逐語的に解釈し過ぎている感がある。
 男性社員Bがやっている真似は、ストーカー並みに付きまとっていなければできないレベルの真似。
 したがって、女性Aの「私の真似するのはやめて」は、

付きまとうのをやめて

 ……も意味していると思われる。
 ストーカー並みの付きまといによる真似を

この程度の自由はある

 ……と言ってしまっていいのか?

住田弁護士の見解:慰謝料取れる
これはもう、取れます。今回の場合は、監視して行動を逐一チェックする、と。愛用品や髪型を真似しているんですね。素敵だから真似するなら、当然許されるんですけど、陰湿で歪んだ愛情表現で自分の存在を誇示しています。こういうことがあれば、今後何をするか分からない、という不安感が大きくなりますし、当然不法行為として、慰謝料は取れます
 ゲスト野口健の「ストーカーの定義の中にモノマネも入ってる?」という質問に対して:
いえ、付きまといとか、見張り・監視が不法行為になります。今回は、それをしていることをわざわざ誇示しています。特にお弁当袋は手作りですから、男の子があれをやる、っていうのは、わざわざ女の子の中に入ってきて、見せ付けた、ということ。あれは、男の子が喜んで使うようなお弁当袋じゃない

 住田弁護士が指摘しているように、女性が女性の真似をするのは、何となく理解できるが(あまり感心できる行為ではないものの)、男性が女性の真似をする、というのは明らかに異常
 携帯など、市販されている物品を真似して手に入れる程度ならともかく、手作りの弁当袋まで真似る、というのはおかしい」

橋下弁護士の見解:慰謝料取れる
慰謝料は取れます。あの、身に付けているものを見てから真似する、これは問題ないんですよ。だけど身に付ける前に私生活を調べ上げて、事前に付きまとって真似している訳ですから、この付きまといというところが不法行為で慰謝料の対象になるんですね

 ストーカー行為でしか成立しない真似は違法という見解。
 これは合理的。

丸山弁護士の見解:慰謝料取れる
これはやっぱり、取れますね。同じ職場で働いてて、密着していてですね、それから、彼女が嫌がってるのを分かっていてそれを無視して更にやっている、と。これはやっぱし、単に真似する自由があることを超えてますよね。何でも物事、程度を超えるとイカンね

 丸山弁護士の見解も的を射ている。
 真似されている相手が明らかに嫌がっているのに、尚更真似を続ける、というのは嫌がらせに過ぎない。
 真似も、ある程度なら本人の自由だが、度を越えれば違法行為と見なされて当然。

 ただし、「判決」では慰謝料が取れると出たものの、現時点では慰謝料を取れるとは思えない。
 偶然と思われていたのが実は故意だった、というのが発覚したばかりだから。
 女性Aは、この時点で真似をするなと相手に明確に伝えた。
 男性社員Bがそれでも尚真似を続けたら、その段階で始めて慰謝料を取れる可能性が生じるだろう。
 それにしても、女性の真似をしたがる男性、て一体……。(^~^;)

瓦版さんの意見:
この案件についても、私は慰謝料は取れないと思っていました。真似をすることは許されるが、今回の場合、私としては寧ろ、彼女は慰謝料を取りに行くのではなく、彼をストーカー罪で訴えて彼を懲役刑に罰してもらうべきだったと思ったからです。2006年7月2日第3トラブルのように。これがもし、慰謝料で済むんだったらその相手だって「慰謝料払えばお前の真似したって別にいいんだろ?」と言うことになりかねないと思ったからです。一方、彼をストーカー罪で訴えれば、彼は当然拘束されるし、彼女も当分彼に自分の真似をされずに済むので、慰謝料を取るくらいなら、彼に服役してもらい、それなりの償いをしてもらう方がはるかにいいと思うのです。

 確かに、慰謝料を取ろうとするより、ストーカー罪で訴えるべきケース
 ただ、上述したように、この段階では警察に訴えたとしてもまだ取り扱ってくれないような気がする。

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コメント 2

つるゆう

慰謝料取れます。
携帯の着信音から身なりから何から何まで全てを調べ上げる事は典型的なストーカーですし、これらは自分の趣味や心理状態から来るものなので表現の自由を侵害されているとも言えます。あとは環境型セクハラというのにも引っ掛かりまして、これは体を触ったり下ネタを言ったりするだけでなく全社員が快適な環境の下で働けるような雰囲気を作る義務に反してまで性的なちょっかいを掛けるという事です。以上より、まとめると男の行動はストーカー,表現の自由の侵害,環境型セクハラの3つの違法行為に引っ掛かるので男が受けるべき法的な制裁は非常に大きいです。よって慰謝料は何百万とか何千万とかになります。
by つるゆう (2015-05-27 17:00) 

考えたい人

このトラブルですが、これは断然慰謝料の対象になりますね。

実際にその人自身を見てから、その場で真似をするくらいなら全然問題ないです。しかし今回のケースでは、実際にその人本人の私生活を調べ上げる形で付きまといを行い、そのうえでその人と全く同じものを身に着けているわけですから、これではされている側が不快感を抱くのも当たり前です。そのうえで、実際に真似されている側が明らかに不快感を示しているのにもかかわらず、それを無視してまだやり続けるということが不法行為の対象と言えますね。やはり丸山先生も言うように、「何でも物事、限度を超えるとイカン」ということです。
以上が自分の見解です。
by 考えたい人 (2016-11-28 11:20) 

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