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行列のできる法律相談所:面接のセクハラ質問で慰謝料は取れるのか?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:面接のセクハラ質問で慰謝料は取れるのか?!

面接のセクハラ質問で慰謝料は取れるのか?!

 女性Aは就職活動の真っ最中の学生。
 この日は第一志望の会社で面接を受けた。
 営業職希望の女性Aは、それを必死にアピールしたのだが……。
 会社側は、いわゆる圧迫面接を開始。
 わざと意地悪な、セクハラ紛いの質問を次々連発。一人暮らししているかや、下着の色まで訊いてきた。
 女性Aはそうした質問にどうにか答えたが……。
 結果は不採用。
 納得がいかない女性Aは、会社へ戻り、セクハラされた挙句に不採用では納得がいかない、と訴える。
 が、会社側の人事担当は言う。実際に採用されて、営業で働くようになれば、営業先でセクハラ発言を日常的に聞く羽目になる。一々怒っていては仕事にならない。それを考えた上での質問だったのだから、許される、と。
 女性Aは当然ながら納得しない。
 セクハラはセクハラだ、と。
 女性Aが会社から慰謝料を取るにはどうすればいいのか?

判決」では、次の見解が出された:

北村弁護士の見解:0円
これは貰えません。若い女性のセールスの方が、男性客に酷い事を言われる社会の実態がある。実態が無ければこんな事をしてはいけない。しかし、実態がある時に、この人が会社に入ってやっていけるか、適性を判断している。そういう時に、これはセクハラの練習だと言ったら、人間の本質は絶対に見えないですから。だからこそ厳しい言葉を浴びせて面接をするんですね
 本村弁護士の見解に対して:
この人は採用されなかった為に、腹いせで言っているようにしか見えない。これは駄目です

 北村弁護士の見解は、完全に企業側に立ったもの。
 実際の現場ではこの程度は日常茶飯事だからといって、面接希望者にセクハラ発言を連発するのはいかがなものか。
 そもそも今の時代、営業先でセクハラを受けるかどうかも疑わしい。
 今はどの会社もセクハラ対策には神経質になっている筈で、営業に来た他社の社員に対してもセクハラはご法度になっている筈。
 また、女性従業員は、どの会社にもいる。自分の会社の男性社員が別会社の女性営業職員にセクハラを働いた場合、黙って見ているのは有り得ない。
 今回の圧迫面接は、結局面接官の憂さ晴らしに過ぎない。こういう場でしかセクハラ発言は許されないから、と。
 北村弁護士の最後の見解もよく分からない。「この人は採用されなかった為に、腹いせで言っているようにしか見えない」と言うが、採用されていたら女性Aはセクハラで訴えていても良かった、という事だろうか。
 それだと、女性Aが採用直後に採用してくれた会社をセクハラで訴えるという、有り得ない状況になるが。(^~^;)

住田弁護士の見解:10万円
これは完全なセクハラです。さっきの会社の人事担当者が 『社会ではセクハラに近い事もある』と正当化しようとする認識が会社として問題なのです。圧迫面接にもやり方に限度がある。本当はもっと金額を取るべきだと思いますが、言葉の暴力はまだまだ安いのが実態。それでも最低10万円と思います

石渡弁護士の見解:1万円
例えばビジネスの場でも『彼氏いるの?』と1回聞くぐらいだと裁判所に持っていっても違法にはならない。毎日聞き続けると、いずれはレッドカードになって退場させられる、という事なんですけど本件は初めて会った面接官で、面接する方が圧倒的に立場が上ですし、下着の色まで訊くのは裁判上も違法と判断されると思います
 それでも1万円なのかという意見について:
面接がセクハラで違法だと判断される事で、報道してもらえますし、来年から会社もこういう事は出来ないと思うので、1万円でも充分価値があると思っています

本村弁護士の見解:1万円
住田弁護士の10万円も我々の1万円も差は無いです! 気持ちは一つです。許せないのは北村弁護士ですよ! 0円はおかしい! そもそも男女雇用機会均等法により採用面接の時に、男性には聞かないような質問を、女性にだけする事自体が違法なんです。また男女で異なる採用基準を設けるのも違法です

 住田・石渡・本村弁護士の見解は、女性の側に立っている。
 住田弁護士が言うように、実際の社会ではセクハラに近い事があるとしても、会社がそれを面接希望者にやってもいいという理由にはならない。
 女性Aが採用された場合、今回の圧迫面接のようなセクハラを確実に受けるという保証があるならともかく、「可能性がある」だけでは理由としては弱過ぎるのである。
 営業職についたら女性はセクハラに耐えなければならない、と会社側が強制するのもおかしいし。取引相手であろうと、「我が社の社員にセクハラするのは止めてもらいたい」と申し出るのが会社として正しい態度だろう。「実際にそんなことをやったらどことも取引できなくなってしまう」と尻込みしていたら、この手の問題はいつまでも続く事になってしまう。

 無論、住田・石渡・本村弁護士も認めている様に、莫大な慰謝料を取れるかは疑問。
 言葉によるセクハラなので、証拠もないだろうし。
 10万円から1万円の慰謝料は妥当だろう。
 訴えるにしても、北村弁護士も指摘した様に、不採用になった腹いせに会社を訴えている、ととられかねないので、慎重に進める必要がある。

電車侍さんの意見:
完全に慰謝料取れます。この面接方法は違法ですね。北村弁護士は、明らかに社員の事を全く考えていない。住田弁護士が言う様に、面接と言うのは、実際の会社でセクハラと同じ様な事があるとしても、それを面接官が女性に聞いても良いと言うルールは存在しません。又、石渡弁護士も言う様に、今回は下着の色等、女性の肉体に関する内容まで聞いている。それではもう、面接ではなくてただの不愉快なおまけの質問コーナーとしか言えないです。さらに、本村弁護士も言う様に、男性には聞く事が無い質問を女性にだけバンバン質問して来ると言うのは、面接をする時のルールとして合理性も正当性も無いんですよ。そもそも、営業職に就いた女性は必ずしもセクハラに耐えなければならないと言うそんなアホなルールは存在しませんから。仮に、女性がセクハラ質問に素直に答えて、それで会社の試験を合格したとしましょう。それで、女性の肉体に関する内容を悪用して、それにより家族の情報や女性にとって致命傷となる大事な機密データが外部サーバーに漏れて、勧誘電話やダイレクトメールや見知らぬ訪問者が増えてしまったとしたら、その会社は個人情報保護法にも違反する事になります。ですから、今回の様なおかしな面接を行った会社側は、きちんと責任をとって頂かなければならないと言う事なんですよね、はい。慰謝料は10万円~15万円程度が最も妥当な請求金額だと思いますね。以上です。

瓦版さんの意見:
これはもう全然話にならないですね。こんなもん、慰謝料なんか鐚一文たりとも取れるわけがありません。見解についても北村弁護士の見解が完全に合理的で他の3人の弁護士の見解は全く以て論外です(特に住田・本村弁護士)。はっきり言って、この女性Aは就職活動なんかやめてしまえと僕は思ったほどです。この女性Aは圧迫面接で面接官から嫌味を言われたり、セクハラを受けたということですが、僕はこの面接のやり方は有りだと思います。その質問内容がそんなに不愉快だと言うのであれば、話半分程度に適当に回答して、ごまかせばいいんです。そんな面接官の嫌がらせとしか言いようにない質問なんかスウェーバックでかわして、話半分に考える術を学べということです。真に受けるからダメージを受けるんです。こういった試験の例としてロンドンタクシーの免許試験があります。この試験は1回の試験に合格すれば終わりというわけではなく、何年にも亘って何度も試験が繰り返され、1段階ずつ上がって行き、6段階の難しい試験をクリアし、第7段階の最終講話を経て、免許交付、バッチ授与という塩梅です。PCOによるとこの試験の合格には平均で3年はかかるそうです。受験生はロンドンのすべての道路、主要な建物や施設の場所を覚えねばならず、実技試験では試験官が受験生の性格や人間性を試すために態と強圧的な態度をとったり、罵倒したりなどすることも大いにありますが、それでも受験生はそれに対しても冷静に対応しなければならないなど様々な厳しい試験をクリアしなければならないんです。今回の案件もそれと全く同じことです。北村弁護士も仰っていましたが、事の真相は会社が女性Aを不採用にされたことに対する逆恨みとしか思えません。よって、これは慰謝料は鐚一文たりとも全く取れません。僕も近い将来、就職活動をする身の者として身に凍みる思いで本件の見解を出させていただきました。

通りすがりさんの意見:
この件についてですが、慰謝料は取れるでしょう。 圧迫面接とセクハラを同じくくりで考える事自体が間違った考えなんです。 圧迫面接はワザといじわるな質問をして相手の本質を見抜くのが第一。 勿論、その質問内容には違法性のないものが第一条件です。 セクハラは「人権侵害」「人格否定」という完全な違法行為。 もちろん面接でさえ許される行為ではありません。 ちなみの学生の就職活動時においてセクハラ面接が発覚した際は、学校側から企業へ公式に抗議を行う事も実際に行われています。 それだけセクハラを含む圧迫面接が社会的に許されないという事です。 圧迫面接自体が違法ではなく、セクハラを含まれると違法になるという 事ですね。

 今回の会社は、圧迫面接の「圧迫」の意味を履き違えてしまった感じ。
 面接対象者にプレッシャーを与えてその反応を見る、というのは間違ったやり方ではない。
 が、プレッシャーのかけ方が違法であったら、面接は違法だろう。


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コメント 7

電車侍

完全に慰謝料取れます。この面接方法は違法ですね。北村弁護士は、明らかに社員の事を全く考えていない。住田弁護士が言う様に、面接と言うのは、実際の会社でセクハラと同じ様な事があるとしても、それを面接官が女性に聞いても良いと言うルールは存在しません。又、石渡弁護士も言う様に、今回は下着の色等、女性の肉体に関する内容まで聞いている。それではもう、面接ではなくてただの不愉快なおまけの質問コーナーとしか言えないです。さらに、本村弁護士も言う様に、男性には聞く事が無い質問を女性にだけバンバン質問して来ると言うのは、面接をする時のルールとして合理性も正当性も無いんですよ。そもそも、営業職に就いた女性は必ずしもセクハラに耐えなければならないと言うそんなアホなルールは存在しませんから。仮に、女性がセクハラ質問に素直に答えて、それで会社の試験を合格したとしましょう。それで、女性の肉体に関する内容を悪用して、それにより家族の情報や女性にとって致命傷となる大事な機密データが外部サーバーに漏れて、勧誘電話やダイレクトメールや見知らぬ訪問者が増えてしまったとしたら、その会社は個人情報保護法にも違反する事になります。ですから、今回の様なおかしな面接を行った会社側は、きちんと責任をとって頂かなければならないと言う事なんですよね、はい。慰謝料は10万円~15万円程度が最も妥当な請求金額だと思いますね。以上です。
by 電車侍 (2010-04-26 20:43) 

瓦版

これはもう全然話にならないですね。こんなもん、慰謝料なんか鐚一文たりとも取れるわけがありません。見解についても北村弁護士の見解が完全に合理的で他の3人の弁護士の見解は全く以て論外です(特に住田・本村弁護士)。はっきり言って、この女性Aは就職活動なんかやめてしまえと僕は思ったほどです。この女性Aは圧迫面接で面接官から嫌味を言われたり、セクハラを受けたということですが、僕はこの面接のやり方は有りだと思います。その質問内容がそんなに不愉快だと言うのであれば、話半分程度に適当に回答して、ごまかせばいいんです。そんな面接官の嫌がらせとしか言いようにない質問なんかスウェーバックでかわして、話半分に考える術を学べということです。真に受けるからダメージを受けるんです。こういった試験の例としてロンドンタクシーの免許試験があります。この試験は1回の試験に合格すれば終わりというわけではなく、何年にも亘って何度も試験が繰り返され、1段階ずつ上がって行き、6段階の難しい試験をクリアし、第7段階の最終講話を経て、免許交付、バッチ授与という塩梅です。PCOによるとこの試験の合格には平均で3年はかかるそうです。受験生はロンドンのすべての道路、主要な建物や施設の場所を覚えねばならず、実技試験では試験官が受験生の性格や人間性を試すために態と強圧的な態度をとったり、罵倒したりなどすることも大いにありますが、それでも受験生はそれに対しても冷静に対応しなければならないなど様々な厳しい試験をクリアしなければならないんです。今回の案件もそれと全く同じことです。北村弁護士も仰っていましたが、事の真相は会社が女性Aを不採用にされたことに対する逆恨みとしか思えません。よって、これは慰謝料は鐚一文たりとも全く取れません。僕も近い将来、就職活動をする身の者として身に凍みる思いで本件の見解を出させていただきました。
by 瓦版 (2010-04-26 21:00) 

通りすがり

すごく久々に覗いてみたら…
何か…私の名前で…喧嘩腰で言っている人がいるみたいですね。
何があったのかは解りませんが。
何ですか?この「竹原慎二のボコボコ・・・」??
あとで検索してみようと思いますが・・・。

この件についてですが、慰謝料は取れるでしょう。
圧迫面接とセクハラを同じくくりで考える事自体が間違った考えなんです。
圧迫面接はワザといじわるな質問をして相手の本質を見抜くのが第一。
勿論、その質問内容には違法性のないものが第一条件です。
セクハラは「人権侵害」「人格否定」という完全な違法行為。
もちろん面接でさえ許される行為ではありません。

ちなみの学生の就職活動時においてセクハラ面接が発覚した際は、学校側から企業へ公式に抗議を行う事も実際に行われています。
それだけセクハラを含む圧迫面接が社会的に許されないという事です。

圧迫面接自体が違法ではなく、セクハラを含まれると違法になるという
事ですね。

by 通りすがり (2010-04-26 23:28) 

瓦版

え?通りすがりさんは「竹原慎二のボコボコ相談室」を御存知ではなかったんですか?ありゃ~、僕はすっかりあなたが「竹原慎二のボコボコ相談室」を御存知のものだと思い込んでいたので、僕も電車侍さんもニセ(?)通りすがりさんを激しく非難していたものですから(特に電車侍さん)。詳細は元カレがどうのこうのを扱った場所を御覧下さい。もしかすると、僕と電車侍さんの醜く激しい言い争いにドン引きされる可能性も大いにありますが。因みに「竹原慎二のボコボコ相談室」はYahoo!チャージャーの頁を御覧下さい。竹原さんは僕以上の毒舌家ですが、仰っていることは全て正論で反論すべき余地など何処にもありません。
by 瓦版 (2010-04-27 14:00) 

電車侍

通りすがりさん
ありゃ~、そう言う事情があったんですか。僕も貴方が竹原さんの相談室をかなり知っているとは思いました。だけど、言い方を見ていて、「この人、本当に通りすがりさんなのかな?」とも思ってしまい、「自分が何も知らないのに人を中学生レベルと呼ぶのはやめて下さい!」と言う反論を出してしまいましてすみません。まあ、とりあえず、あれが本当の通りすがりさんで無い事は良く分かりました。それにしても、あの書き込みは一体誰の物なんでしょう?訳が分からないですね~。以上です。
by 電車侍 (2010-04-27 21:25) 

瓦版

訂正があります。僕の1(全体からすれば2)つ目のコメントの「会社が女性Aを不採用にされたことに対する逆恨みとしか思えません。」は主語と述語の立場が真逆で、正しくは「会社が女性Aを不採用にしたことに対する逆恨みとしか思えません。」でした。心よりお詫びして訂正します。
by 瓦版 (2010-04-28 14:25) 

まに

「通りすがりさんのニセモノ」というより、たまたまHNかぶっちゃっただけかもしれませんね。
そう言えば以前も、「通りすがりの法律家」という方がいらっしゃいましたっけ。

で、本件ですが、「取引先がセクハラしてるからといって、自分たちもしていいってことにはならない」。
この一言に尽きると思います。しかも面接官としての立場を利用…ということも考えると、パワハラも含んでそうですね。金額については、なんとも言えませんが。
それにしてもあの女性は、採用されたら就職するつもりだったのか?自分だったらゴメンですね。

by まに (2010-05-14 20:32) 

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