SSブログ

行列のできる法律相談所:高級腕時計を賭けた営業目的達成競争の結末は?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:高級腕時計を賭けた営業目的達成競争の結末は?

高級腕時計を賭けた営業目的達成競争の結末は?

 営業担当員Aは、毎月のように顧客獲得の成績がビリ。一方、営業担当員Bは毎月のようにトップ。
 その月もAはビリだった。それを見たBは、馬鹿にして言う。お前が俺を抜いてトップに立てたら、この高級腕時計(数十万相当)をくれてやる、どうせお前には無理だからな、と。
 Aは、その賭けに乗る。
 翌月、成績表を見て、誰もが目を疑う。AはBを抜いて顧客獲得のトップに躍り出ていたのだ。トップの座を明け渡す羽目になって愕然とするBに、Aが駆け寄る。トップに立ったのだから、約束通り高級腕時計を譲ってほしい、と。
 Bはパニックに陥った。あの約束は賭博に値するから無効だ、時計は絶対渡さない、と言い張る。
 Aは、約束したのだからさっさと寄こせと主張する。
 Bは、高級腕時計をAに譲らなければならないのか?

解答」は、「譲らなければならない」。
 なぜなら、AがBの申し出に合意した時点で、契約が成立していたから。Aがその契約の条件を満たした以上、Bは契約通り腕時計を譲渡しなければならない。

北村弁護士の見解:
これは貰えます。条件付き贈与契約ですね。賭博は自分が勝ったら貰えるし負けたら損をする、得と損がある、これが賭博の特徴なんですね。これは賭博ではありません

 今回のは、過去のケースをクイズ方式で再度取り上げていた。

自分が過去に述べた意見
 同様の問題を何度も取り上げているので、あえて述べる必要があるとは思えないが、再度述べる。

契約というのは本来有償の取引に関する取り決め

 したがって、無償の場合、契約にはならない筈。
 今回の場合、AはBと交わした約束で、トップに立てば腕時計を貰えることになっていたが、たとえトップに立てなかった場合でも、何の損もしないことになっていた。つまり、何のリスクも負うことなく高価な腕時計を貰えるのだ
 一方、Bは、Aがトップに立てず、賭けに勝ったとしても、何の利益も得ないことになっていた。にも拘らず、賭けに負けたら高級腕時計を譲渡しなければならないことになっていた。つまり、これといった得はしないのに、損だけはすることになる。
 これは明らかに不公平である。
 契約というのは有償でなければならない。どちらかが一方的に損をする、という約束は法的拘束力のある契約にはなり得ない。ましてや口約束となっては、「口が滑ってしまっただけだよ。まさか本気にするとは思わなかった」と言い逃れできる。
 以上のことから、譲渡しなければならない、という根拠はない。
 Bにとって不利な材料といえば、他の社員の前でこの約束をしてしまったこと。目撃者がいる以上、「そんな約束をした覚えはない」と突っぱねるのは無理。今回のケースでは、「仕事はできるが往生際が悪い」と同僚から冷たい目で見られるのを避ける為にも、譲渡するのが得策と思われる。
 それにしても、5万円の借金に40万円相当のバッグを担保とする約束は暴利だとして無効の「判決」を出す(先週のザ・ジャッジ)一方、数十万円相当の腕時計をほぼ無償で譲渡するという口約束を法的に「有効」と見なす。
 ……これらの番組は、一体どういう神経をしているのか。

 北村弁護士が新たに付け加えた見解には、ちょっと首を傾げてしまう。
勝ち負けで損得があったら賭博になる」となっているが……。
 無償で譲渡する契約は合法で拘束力があり、有償で譲渡する契約は賭博なので違法、というのはどうなのかね。
 上述しているように、契約は損得がないと。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0