SSブログ

行列のできる法律相談所:25年後の退職金も財産分与の対象に?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:25年後の退職金も財産分与の対象に?!

25年後の退職金も財産分与の対象に?!

 男性Aは、妻である専業主婦の女性Bから離婚したい、と言われる。
 男性Aには離婚を突き付けられる覚えはなく、妻を説得しようとしたが、妻の意志は固かった。
 二人は離婚することに。
 しかし、財産分与で問題が勃発、
 男性Aは会社勤めしていて、その会社には退職金制度があった。
 将来――25年後――定年退職すれば、退職金が満額貰える。
 女性Bは、その退職金も財産分与の対象とすべきだ、と主張。貰うのは結婚していた5年間分でいいから、と。
 男性Aは当然ながら猛反発。貰ってもいない退職金を前もって分与できる訳がない、と。
 まだ貰っていない退職金も離婚の際は財産分与の対象になるのか?

判決」では、北村・本村弁護士が「対象にならない」、住田・石渡弁護士が「対象になる」の見解を出した。
 その結果、貰っていない退職金が財産分与の対象になる可能性は40%に。
 最終的には、「定年直前であれば対象になりますが、今回の場合、退職金を貰えるのが確実ではない為、財産分与の対象になるのは難しいようです」で締めくくられた。

北村弁護士の見解:対象にならない
3年後や5年後ぐらいに退職する事が決まっていれば、退職金を貰える確実性が高いため(財産分与の)対象になりますが、この場合は25年先なんですね。どんな大きな企業でも倒産のリスクがありますし、本人が懲戒解雇になって退職金を貰えないリスクもあります。あまりにも不確実な部分が多過ぎて、対象になりません
 石渡弁護士の見解に対して:
生命保険だと将来において確実に入ってくる、確実性が高いものです。この時点で仮に解約すればいくらか計算できます。ところが倒産のリスク、つまり25年後までこの企業が存続して、退職金支払い能力を持っているか、その事に対するリスク、これを全然考慮していませんね

 北村弁護士の見解は妥当。
 貰ってもいない金を貰える前提で財産の一部とし、それを分与せよ、というのはおかしい。
 25年後に退職金を受け取れたとして、それが予想より少なかったからどうするのか。25年前に遡って再計算し、差額を返還しろ、てなっても無理だろう。

本村弁護士の見解:対象にならない
最近は多少考えが変わってきて、夫が定年直前の場合には、退職金も財産分与の対象にしようという考え方になってきています。定年して退職金を貰った後で離婚した場合には、その半分を奥さんが貰えるのに、定年直前に離婚した場合には一切貰えないというのは、おかしいのではないかということです。今回の場合は30代の若い夫婦ですから、将来夫が定年まで今の会社にいるかどうかわからないし、ほんの若い頃の数年間だけ一緒に暮らした妻が、25年も先に元夫が退職する頃に貰う退職金に対して、何らかの貢献をしたかといいうと、殆ど関連性がないだろうということになります。よって、今回の場合は財産分与は無理です

 本村弁護士の見解は、納得できる部分もある一方、納得できない部分もある。
 定年直前に離婚した場合は退職金を一切貰えないというのはおかしいと言っているが、あともう直ぐで貰えるといってもまだ手元にはないのだから、貰えるのを見越して分与しろ、というのはおかしい。
 払うとなったら、退職金を前借して払うことにもなりかねない。
 それだと目一杯借金をして「財産」を増やさせ、「ほら、お前は財産を持っている」というのと同じだろう。
 また、退職金を貰うことを見越したのはいいものの、結局貰えなかった、あるいは予想より大幅に減らされていた、となったらどうなるのか。夫は差額の返還を要求できるのか。「既に合意で決まったこと」として、仕切り直しは許されないと思われる。

住田弁護士の見解:対象になる
退職金の法律上の性質は、賃金の後払いの部分がかなりあります。10年働いてクビになった時には、ちゃんと(退職金を)貰えることになっている訳ですよね。『妻は共同生活の中で貢献している』と認めるなら、取り分があるという考えです。しかし10年後に貰えるものを今貰うとするとどうかと言うと、割り引かれて大した金額にならない可能性がありますが、『離婚する時の分与額の算定に入る』というのが、当たり前の考え方です
 北村弁護士の見解に対して:
一定の考慮要素として色んな事を割り引いた上で、『今欲しいんだったらこのぐらいにしましょう』という意味で、全く考えなくはないというのが今の裁判所の態度だと思いますね

石渡弁護士の見解:対象になる
簡単に言うと、生命保険と同じです。生命保険は、毎月掛け金を掛けていきますよね。3年後や5年後、10年後に解約したい時に時解約すると、解約返戻金が戻ってきます。退職金も給与の後払い的な性格があるので、一緒に暮らした5年間の分をシミュレーションして、財産分与の対象になると考えます

 住田・石渡弁護士の二人の女性弁護士の見解は、全く意味不明。
捕らぬ狸の皮算用」そのもの。
 そもそも、退職金制度なんてのがあるのは日本くらい
 海外では一人の人間が学校を出た直後に入社して定年まで勤める、なんてのはまずない。
 自分は転職する気はない、と本人が思っていても、会社そのものが40年以上存続することが殆どないから。
 したがって、「退職金」というのは「老舗」なんてのが有り得る日本独特の制度なのである。
 日本の企業では、少し前までは「年功序列」「終身雇用」が当たり前だった。
 しかし、「グローバル化」の名目で、いずれも崩れつつある。
 数年後には、「年功序列」「終身雇用」は完全になくなっているどころか、概念すら抱かなくなっている可能性がある。
年功序列」「終身雇用」がなくなりつつあるのに、「退職金」という制度だけは未来永劫続く、となぜ考えるのか。
 退職金制度が25年後に残っているかどうかもあやふやなのに、それを100%確実に貰えると仮定して財産分与に算定に加えるというのは、おかしいと言うほかない。
 住田・石渡弁護士は、社会の変化、というものに気付いていないのだろうか。
 そもそも女性が弁護士として活動できるのも「社会の変化」のお陰なのだが。例えば25年前だと31歳の女性は結婚し、専業主婦として家庭に入っていて、子供を作っていて、キャリアを捨てているのは当たり前だった筈。石渡弁護士のように31歳の女性が独身で弁護士としてバリバリ活躍する、てなんてのはまずなかった筈なのだ。
女性の社会進出」という社会変化の恩恵は受けているのに、「退職金制度の崩壊」という社会変化は予想すらできない、というのはおかしい。
 法律、てのは今現在を考えていればいい、というものではないだろう。

枯山孝さんの意見:
今回は完全に津村さんの仰る通りです。北村弁護士・本村弁護士の見解も半分は同意です。逆に女性弁護士二人はちょっと考えが甘いのでは…?と思いました。 このご時世、25年後の世の中がどうなっているのか、自分の会社が確実に退職金を渡せる状態なのか、なんて誰にも予測できる訳がありませんですから。 住田弁護士はそれを考慮した上で、割合を減らしてでも渡すべきだと言いたいんでしょうけども、やはり25年後の退職金の可能性と言うのは、不確定にもちょっと度が過ぎると思うのです。ですので、私も『対象にならない』と思います。 後、津村さんのご指摘の通りですが、北村弁護士・本村弁護士の見解の残り半分、「定年まで時期が近いなら財産分与の対象になる」と言う主旨の発言には私も納得行かないでおりました。『退職金を貰える権利・見込みがある』のと、『実際に退職金をもらってきた』とでは全然話が違います。極論すると退職金が貰えるはずの前日当日にその権利が跡形も無く吹っ飛んでしまう可能性だってある訳ですからね……。

 よく「裁判官は世間知らず」と言われるが、弁護士も結局世間知らずのような。(^~^;)

瓦版さんの意見:
これはもう全くナンセンスですよ。枯山さんやkabsさんと同意見でこんなもん、財産分与の対象になりようにないですよ。この女性Bは自分の方から一方的に離婚しろと言ってきたにも拘らず、慰謝料も支払わらないくせに25年後の退職金の内、5年分も寄越せとか図々しいにも程があります。呆れて開いた口が塞がりません。会社は何時潰れるか分かりません。下手すれば、翌日に会社が潰れて退職金もへったくれもないという状況に陥るかもしれません。にも拘らず、まだ貰えるかどうかも分からないような退職金までも財産分与の対象にしろというのは許されないと思います。個人的には退職金が財産分与の対象になるのは退職金を貰った後に離婚するということになった時だと思うので、現時点で退職金を財産分与の対象になるとは到底考えられないと思うんです。「財産分与の対象になる」の判定を出した住田・石渡弁護士の見解についてですが、まず、住田弁護士の見解はあまりにひどい見解なので放っておくとしまして、石渡弁護士の見解については保険金と今回の財産分与を一緒くたにされては困ります。これらは全く概念が異なりますから、石渡弁護士の見解はそこを無理矢理こじつけた見解と取れます。まぁ、その所為もあって、近年、熟年離婚が問題になっているわけですが、女性はそれに付け上がっているようにも見えます。勿論、女性の権利は最大限認められねばならないのは言うまでもないことなんですけれども、それに付け込んでいい気になる女性に僕は甚だ憤りを感じます。そして何よりそれを支援するかのような見解を出す住田・石渡弁護士にはそれを通り越して、浅ましいとさえ思えます。

 正直、なぜ石渡弁護士が保険金と退職金を同視したのか、さっぱり分からない……。(^~^;)

kabsさんの意見:
今回の件は四人一致すると思いましたけどね…。 僕もこれは無理だと思います。 25年後の事を今、財産分与しろというのは知っている限りでも聞いたことないですよ。 そもそも、離婚の財産分与は現在残ってる財産の中から分与されるのが原則。将来貰える予定の退職金がこの時点で中に入るのは有り得ないでしょう。北村弁護しも言っていたように、将来どうなるか分かりませんから。 これが認められたら、この夫の会社で加入されている保険も全て財産分与される事になるのでは。 退職金共済だけが認めらる、だけでは済まされなくなりそう。 退職金共済に「離婚で財産分与するのでいくら分ければいいのか調べてくれ」て言わなくてはいけないのでしょうか? そんなの聞いたことないですよね。

 聞いたことなくても、番組からすると貰える確率は40%にもなるんだよね……。(^~^;)
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 1

つるゆう

対象になりません。
財産分与の対象は結婚期間中に作った共有財産だけなんですね。妻はもうすぐ離婚したいと言っているので25年後にはもうとっくに離婚しているでしょう。という事は、25年後には夫婦ではありませんから25年後の退職金を財産分与する理由はありません。
by つるゆう (2015-05-23 16:09) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0