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行列のできる法律相談所:金に関する法律 [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:金に関する法律

金に関する法律

 ・香典は喪主の物?

 教師だった父親が亡くなる。
 遺産は全く残さなかった。
 子供の兄妹の内、兄が喪主として葬式代を負担。200万円にもなった。
 が、教師だった事もあり、参列者はかなりの人数に上り、香典は500万円に。
 葬式代を引いても300万円余る計算になった。
 これに、兄は大喜び。
 が、妹が言う。父親は遺産を残さなかったのだから、余った額は遺産代わりに折半すべきだ、と。
 兄は反論、喪主は自分だし、葬式代を出したのは自分だったので、香典は全て自分のものだ、と。
 香典が葬式代を差し引いても余った場合、香典は喪主だった兄の物?
 兄弟で折半?

北村弁護士の見解:兄の物
香典というのは、亡くなったお父さんに贈与されたものではないんですよ。喪主、即ち葬式の主催者に対して葬式費用に当ててもらう目的で贈与された物なんです。だから喪主の物なんです。例えばですけど、プラスが出てもマイナスが出ても兄弟仲良く負担したり貰ったりしようというんであれば、最初から共同喪主という事にしとけば良かったという事です

 香典は、遺産とは全く別のもの、という見解らしい。
 当然といえば当然。
 今回のケースでは、偶々香典が葬式代を上回っただけ。
 もし妹が余った香典を寄越せと言うのなら、万が一マイナスになっていたら、その分を補填する事に同意しなければならなかった事になる。それが嫌で喪主を兄に押し付けていたんだろうに。(^~^;)

 ・落し物の謝礼は?

 男性Aは慌てて街中を移動していたら、女性Bに呼び止められる。
 財布を落としましたよ、と。
 男性Aは礼を言ってその場を立ち去ろうとしたら、女性Bが謝礼金を要求。
 男性Aは、謝礼金は警察に届けた場合に限る、と反論。
 女性Bは財布を拾ってあげた事には変わりない、と主張。
 謝礼金を支払わなければならないのか?

大渕弁護士の見解:支払わなければならない
遺失物法という法律によって、警察に直接届けなくても、落とし主に直接届けた場合であっても謝礼は支払わなければならないとされています。ちなみに、謝礼の金額は落としたものの価格の5%から20%と定められてるんですけれども、その落としたものの価格が結構争いになるんですね。例えば、通帳を拾った場合。通帳の場合は直ぐに下ろして使える訳じゃないですよね。現金とは違うので、現金を拾った額よりも謝礼は少なくなる事が考えられます

 法的にはそうなっているからといって、「拾ってやったんだから謝礼を出せ」というのもおかしい。
 元々それが法律の主旨だったとは思えないし。
 仮にこれが厳格に適用されたら、それを悪用した詐欺が横行しそう。(^~^;)

 ・養育費を減額出来るのか?

菊池弁護士の見解:減額出来ない
これは減額はなかなか難しい、基本的にはしてもらえないという事です。基本的に養育費としてあげたお金をどう使うか、これは母親に任されてるという事ですね。ちなみにこれよく離婚の調停とかでですね、『明細出してくれない? そんな金額言うんなら』っていうような話がよく出るんです。でも法律的に例えば一々何に使いましたっていうような明細を全部出して、それ出さないと養育費は請求できない、というような事までは決められていません

 これが養育費のおかしいところ。
 最近は支払わない者に対し給料を差し押さえてまで徴収する程厳格になっているのに、いざ貰う側には養育以外の者に使ったところで何ら問題ない、では「養育費」の体を成していない。
 制度がこういう問題を抱えているからこそ養育費の支払いをそもそも拒否する事例が多くなるのでは?(^~^;)

 ・時効が過ぎたら返済しなくてもいい?

 男性Aは、知人の男性Bと久し振りに会う。
 男性Aは、男性Bに貸した金の返還を要求。
 男性Bは、金を返す事に同意する。
 翌日男性Aが男性Bの元を訪れると、借金は既に時効を迎えているから、返済の義務はない、と主張する。
 時効が過ぎてしまった場合、一旦返すと言った後でも返済しなくていいのか?

本村弁護士の見解:返済しなければならない
これちょっと意外と難しい話なので、ちょっと丁寧に解説しますね。実は、時効が完成していることを知らなかったとしても、時効が完成した後で……時効を主張する行為と……

※補足解説たとえ時効の期限が過ぎていても、『返す』と言った場合、法的には『私は事項を主張しません』と宣言した、と見なされる為、借りたお金を返さなくてはいけないんです。

 元の返済の時効が過ぎていたとしても、今回のケースの場合、前日に「返す」と約束してしまったので、その時点でまた新たな契約を結んでしまった事になってしまうと思われるが。
 ただ、口約束なので、どこまで追求出来るかは疑問だけど。(^~^;)

 ・相手が悪いのにこちらが支払う額が大きい?

 女性Aは、街中を自転車で移動中、別の自転車と衝突。
 自転車は双方とも全損となった。
 相手の男性Bは、前方不注意でした、と過失を認める。過失割合は9対1にしましょう、と。
 女性Aは、それに同意。
 二人はその場で損害額を互いに支払う事に。
 が、女性Aは自身が負担しなければならない額を知って仰天。2万円だった。
 一方、男性Bが女性Aに支払う額は9000円だった。
 女性Aは1万円の自転車に乗っていた。したがって、男性Bは9割負担で9000円。
 一方、男性Bは20万円の自転車に乗っていた。したがって、女性Aはたった1割の負担でも2万円になってしまうのだ。
 女性Aは激怒。何故過失はそっちにあるのに、こっちが多く支払わなければならないのか、と。
 男性Bは反論。9対1の過失割合に合意した以上、そちらが負担するのは当然だ、と。
 相手が悪くても、高い弁償金を支払わなければならないのか?

大渕弁護士の見解:支払わなければならない
衝突事故の場合は、被害がそれぞれに生じているんですよね。 そういう時にそれぞれの被害について過失割合に基づいて賠償する、という事になるので、結果的に悪くない方が多く払うという事が生じてしまうんです
< 北村弁護士の補則解説 >
気休めかも知れませんけどね、男性の方は2万円しか貰えないので、18万円の損害が残る訳です。女性の方は最終的に9000円貰う事になるので、損害額は1000円で収まるんですよ。だから悪い方に18万の損害が残ったんだと思えば、多少は納得出来るのかなと

 被害額を隠してまず過失割合を決め、その後に「実は被害額はこれでした」、というのはおかしいような。
 北村弁護士は、男性は最終的には18万円の損害で、女性は1000円の損害だ、と言っているが……。
 女性は2万円を支払いながら、9000円しか戻って来ないので、1万1000円の損。
 自分の自転車の額を上回ってしまう。
 気休めにはならないだろう。(^~^;)

 ・元妻が金持ちと再婚したら養育費は?

 男性Aは、元妻の女性Bと偶然再会。
 女性Bは、別の男性を連れ添っていて、この人と再婚する、と言った。
 その男性はかなり裕福だという。
 男性Aは、だったら月々の養育費はもういらないだろ、と言う。
 が、女性Bは言う。自分の再婚と、子供の養育費は関係ないから、これまで通り支払ってもらう、と。
 前妻がお金持ちと再婚した場合、養育費の支払いを止められるのか?

菊池弁護士の見解:止められない
父親は子供を育てる義務があります。ですから、その費用を負担する責任もあります。だから相手が再婚しても父親である事には変わりはないですから、基本的にはこの義務から逃れられません。ただ今回の場合の様に元妻の再婚相手の収入が極端に多かったり、あるいは自分の収入が激減してしまった、そういう事情があれば、『減額して下さい』という事が認められるケースもあります

 生物学的には親であるからといって、無条件に養育費の支払い義務が発生する、というのはおかしい感じ。
 動物なら生物学的に親子なら親子と見なして結構だが、人間なら、離婚しているとはいえ共に子の養育に携わっていてこそ「親」だろう。養育に関わっていない、関わらせてもらえない父親は、最早「親」ではなく、単なる精子提供者。
 子の養育には全く関わらせない、会わせもしない、でも生物学的には父親なんだから、養育費は貰う、と母親が言うのは元夫や子を単なる金づるとしか見なしていない事になる。(^~^;)

 ・慰謝料は課税対象か?

本村弁護士の見解:課税対象にならない
慰謝料というのは精神的苦痛に対する損害賠償金です。所得・儲けという概念を入れて課税するのは酷である、という社会政策的な見地から、所得税法上 非課税とされています。交通事故の被害者が加害者から受け取る損害賠償金、これも同じです。非課税です。ちなみに宝くじも所得税はかかりません

 そもそも親子の間で金を渡しただけで政府が「贈与だ! 課税対象だ!」と間に入って来る事事態、おかしい。(^~^;)

 ・遺言状は何歳から有効?

北村弁護士の見解:15歳から
これは民法で遺言(ゆいごん・いごん)の出来る年齢は、 15歳に達したものという風にされています。ちなみに遺言というのは、相続トラブルを防ぐための大事な事なんですけれども、多くの人は『内は財産がないから遺言は書く必要はない』と思っている方が沢山いるんですよ。でも実際に起こっている相続のトラブルの40%は家を含めて1000万から5000万くらいの財産の方のところで起こっていますので気を付けて下さい

 15歳で遺言状を書いたところで、何を残せるのかね。
 金持ちならともかく。(^~^;)

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