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本当は怖い家庭の医学:魚の食べ過ぎで痛風 [本当は怖い家庭の医学]

1. 本当は怖い家庭の医学:魚の食べ過ぎで痛風

 本当は怖い家庭の医学で取り上げられたのは以下の通り:

 ……自分は、若い頃は一晩で居酒屋を何軒も回り、締めにはラーメン、という暴飲暴食を続けていた男性。中年に差し掛かると中年太りになり、流石に健康に気遣うようになった。といっても、締めのラーメンを控え、肉食を魚食に変える程度。食べる量は減らない。また、野菜もあまり食べていなかった。ぽっこり出た腹はそのままだったが、体重は変化していなかった。風邪といった病気はしておらず、魚を食べているお陰だ、と勝手に判断していた。そんなある日。左足の親指の辺りがピリピリするように。見てみると、親指の付け根が赤くなっていた。どこかにぶつけたのかな、と軽く考え、特に何もしなかった。翌朝。これまで経験したことないような足の痛みを感じた。病院にいったところ、ある診断が下された……

痛風だった

 痛風gout)とは、高尿酸血症を原因とした関節炎を来す疾患。患者の90%以上が男性(ただ、最近は女性の患者も多くなっている)。贅沢な食生活をすると発症すると言われており、「帝王病」の異名で知られる。血液中の尿酸が増え過ぎてしまう高尿酸血症が主な原因。尿酸は、新陳代謝などで必ず生まれるが、血液中に増え過ぎると、足の関節などで結晶を作り始める。この結晶が剥がれた時、白血球が敵と見なして攻撃し、炎症を伴う激痛を引き起こす。今回の患者が痛風になった理由は食べ過ぎ。尿酸は肝臓がプリン体という物質を分解して生成される。プリン体は多くの食品にも含まれているので、食べ過ぎると、尿酸が過剰に生産され、尿による排泄が追い付かず、徐々に体内に蓄積されてしまう。ただ、単に食べ過ぎただけで即痛風になる訳ではない。今回の患者は、飲酒量も多かった。アルコールは尿酸が腎臓から尿へと排出されるのを妨げる物質を生み出すのである。今回の患者は年を取ってからは食事の量も酒の量も減っていたが、にも拘らず痛風を発症したのは、中年太りのままだったから。内臓脂肪を抱えていたのである。内臓脂肪は、悪玉アディポカインというホルモンを発生させる。悪玉アディポカインは、尿酸を作る肝臓の働きを活性化させる作用があり、血液中の尿酸を増加させる。更に、今回の患者は魚料理を毎日食べていた。魚介類は、プリン体を比較的多く含んでいる。健康に良いとされる魚も、食べ過ぎは良くないのである。


 痛風。
 風が当たるだけでも痛い。
 凄い病である。(^~^;)

 モンゴル帝国のように、肉類と乳製品といった動物質食品に偏った食生活をしていた中世の国では、王族・貴族層の間では痛風が非常に蔓延していたとか。
 アレクサンドロス大王、フリードリヒ大王、ミケランジェロ、ダーウィン、ニュートンなども痛風患者だったという。
 プリン体、と聞くと食べるプリンと何か関連性があるのかと思われてしまうが、食べるプリンは英語表記だと「pudding」。プリン体のプリンは「purine」なので、全く別の単語。


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