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行列のできる法律相談所:結婚指輪の差額も負担しろ?! [行列のできる法律相談所]

1. 行列のできる法律相談所:結婚指輪の差額も負担しろ?!

結婚指輪の差額も負担しろ?!

 女性Aは結婚を控えていた。が、表情は暗い。
 女性Aは婚約者の男性Bを呼び出し、婚約破棄を伝えた。
 男性Bはびっくり。挙式を1ヵ月後に控えていたのだ。
 女性Aは言う。婚約発表後の付き合いで、価値観の違いばかりが目に付くようになり、結婚生活に自信が持てなくなった、と。
 女性Aは、慰謝料などはきちんと支払う、と言う。
 男性Bは、止むを得ず婚約破棄に応じる事に。しかし、あることを言い出す。
 200万円の結婚指輪を返すだけでは駄目だ、と。
 なぜなら、200万円の指輪でも、質屋に出すと10分の1(20万円)の価値しかない。差額の180万円を現金で負担しろ、と要求。
 女性Aは、指輪を返すのに、なぜ差額まで支払わなければならないのか、と反論。そもそも200万円の指輪を買ってくれなんて要求した覚えもない、と。
 婚約を破棄した場合、婚約指輪の差額分を全額返さなければならないのか?

判決」では、北村弁護士以外が「全額返さない」の見解を出した。
 その結果、婚約指輪の差額分を全額返す可能性は30%に。
 最終的には、「指輪の価値の低下は女性の責任ではないので、差額分全額までは返さなくていいようです」で締めくくられた。

北村弁護士の見解:全額返す
これは女性からの婚約の一方的破棄なんです。特に男性に問題があった訳ではありません。精神的損害を慰謝料としてまかなわなければならないし、経済的損害は損害賠償として払わなければなりません。婚約したら一般的に婚約指輪を渡すのは普通です。200万円というのは特に高い訳ではなく、想定の範囲内です。それが20万円にしかならないのだから、経済的損害が明らかに180万円発生しているんです。だから、経済的損害として払わなければならないのです
 橋下弁護士の見解に対して:
単なる贈与だと言っているのは間違いです。必ず結婚して幸せになるという『印』として渡している訳です。婚約不当破棄されたから発生した、無駄になった費用なんです

 北村弁護士の今回の見解は、彼らしい冷静さが見受けられない。
 言い訳めいているし。
 何かあったのかね、と思ってしまう。(^~^;)

住田弁護士の見解:全額返さない
結納品として贈った指輪は、今回の婚約破棄に伴って贈与も取り消しになりますから現金を基本的に返すということで済むんですね。慰謝料に伴って今回も少し上乗せしたらいいなあと思いますが、普通以上に高いものを彼女に贈るという事、贈与とはそれなりにリスクがあるものなんですね。そのリスクをある程度男性側も負うべきなので、痛み分けで半々ぐらいがいいかなと思います

橋下弁護士の見解:全額返さない
0円です。返さなくていいです。指輪の価格が下がったのは、女性には一切責任がありません。市場原理によって価格が下がったわけですから、女性には一切指輪についての責任は発生しません
 北村弁護士の見解に対して:
価格が減少した事についての理解が足りないんですよ。あれは20万円のものを渡したに過ぎないんです。だから、下がったものを渡してるんだから、その20万円分を返してもらえば男性の分としてはそれで充分なんですよ

丸山弁護士の見解:全額負返さない
多少幅はありますが、0から半分までくらいまででしょうね。基本的には慰謝料はちゃんと払う訳ですから。必ず人生の中では問題は起こるんです。それを全部金銭的に換算して法的に賠償させるという考え方は、やっぱりおかしいんですよ。0円だという見解も充分成り立つと思います

 三人の見解は、婚約指輪を返還している以上、差額分を支払う必要はない、で一致している。
 女性Aが「婚約指輪を返さない」と言い出していたなら、男性Bは指輪の価格200万円を丸ごと請求できるだろう。が、指輪を返しているにも拘わらず更に金を寄越せ、と言うのはおかしい(返還された結婚指輪は、市場価値は10分の1になっているのだろうが、物自体は購入時から変質している訳ではないのだ)。まして、女性Aは慰謝料も別に支払うことに同意しているのだから。
 今回のケースは、男性Bが返してもらった結婚指輪を処分する、ということになっているようだが、女性Aからすれば、「本当に処分するの? 差額分を受け取った上で指輪もそのまま持ち続けるのでは?」という疑問を払拭できない。
 200万円にそこまで固執するなら、男性Bは「指輪は返さなくてもいいから200万円を現金で寄越せ」と言う筈である。
 女性Aが男性Bとの婚約を破棄したのも、男性Bのこういうせこい性格に飽き飽きしていたからではないか、と思ってしまう。

 その一方で、男性Bの心境も理解できなくもない。
 挙式間近で、周囲の挨拶回りも済ませていただろう。
 それが「全て無しにします」では、周囲に迷惑をかけるし、本人も大恥を掻く。
 慰謝料がどれだけになるかは不明だが、最低でもかかった費用に見合うものでなければ、追加の金を要求したくなるのも無理ない。
 ただ、慰謝料、て指輪の差額なども含めた意味でのものだと思うが。
 さもないと、「慰謝料、て結局何を慰謝しているの?」ということになりかねない。(^~^;)

瓦版さんの意見:
僕の見解としては女性Aは180万円全額払わなければならないと思います。当然、慰謝料とは別に。見解としては北村弁護士の見解が合理的だと思います。確かに女性Aに婚約破棄を仕向けさせた男性Bも男性Bですが、結局、最終的には女性Aが自分の判断で婚約破棄したわけですから、当然、これぐらいのリスクは甘んじるべきだと思います。暫く前にも言いましたが、こういうことは本当に強い意志を持ってやらねばならないことです。女性Aのような甘えは婚約においては一切通用しません、当然許されません!!

kabsさんの意見:
180万全額支払いはまず無理ですね。 これで全額返金を認めてしまうと 婚約指輪以外にも結婚のためにかかった費用も全額返せ!(例えば式場のキャンセル料など)となり 収拾つかなくなります。 丸山先生の言うとおり、基本部分は慰謝料で払う訳ですから、ここは法的にしっかりと分ける所、一線を引くところですね。 市場価格になる20%~50%あたりで落ち着くでしょう。

瓦版さんの意見(kabsさんの意見に対して):
それは間違っています。今の日本の世の中の婚約はそんなに甘くはありません。婚約とは他の人との恋愛を法的に束縛する制度です。この女性Aは婚約すると言っておきながら、考えが合わないぐらいで婚約破棄すると。これは究極のバカじゃないですか。意志が弱すぎるんです。はっきり言ってだらしない。これぐらいのことで婚約破棄するなら婚約する前の段階でさっさと別れろとしか言いようにないです。こういうことについては当然の如く、相当重い厳罰を下さねばならないと僕は思います。これぐらいで済むならはっきり言ってまだマシだと思いますね。

kabsさんの意見(瓦版さんの意見に対して):
あのねえ… こういうのを慰謝料以外に全額支払を認めたら、過大請求になる事だってあるでしょうが。 重い厳罰を下すべきだと思うとかそういうレベルの話じゃないんですよ。 じゃあ例えば婚約後、この男性が一緒に住むマンションを5000万で購入したとして、その後、婚約破棄になったとして、相手にマンション購入金額5000万全額返せ!ローンは全額払い続けろ!なんて結論にになりますか? 法的にどうこじつけたって全額支払なんて、有り得ない!

まにさんの意見:
差額分、支払うべきだと思います。 今回は、北村弁護士の意見に、全面的に賛成です。 住田弁護士は、リスクがどうの言ってますが、 婚約破棄されることを想定して婚約指輪を買えなんてのが、ムリな話。 リスクなんて言葉が出てくるあたり、もしかすると住田弁護士は、 プロポーズと同時に婚約指輪を差し出すケースと、混同しているような気がします。 本件では、婚約が結ばれてから、男性は指輪を買ったものと判断してます。 橋本弁護士の、指輪を渡した時点で20万円になるという見解は、まったくもって理解できません。 あの指輪は、婚約解消しなければ、あの二人にとって200万の価値があるはずです。 それが20万円の価値にしかならなくなったのは、女性が一方的に婚約破棄をしたからです。 200万円は、婚約指輪にしては高額な気がしますが、 しかしそれは、結婚を大切にしたいという、男性の気持ちの表れだったのではないでしょうか? それを一方的に破棄したのですから、当然、差額分支払わなくてはなりません。 もしくは指輪は渡さず、現金で200万を支払うべきです。 全額か、少なくとも8割は負担すべきだと私は思います。 津村さんは、男性Bをせこいと仰ってますが、 私は200万の婚約指輪を買う人を、せこいとは思いません。 それに180万は、せこいで片付けられる金額ではないかと…。 結婚することを前提にマンションを購入した場合はどうなるか、ですか? 事前に相談した上で購入したのであれば、女性に責任がありますが、 そうでなく、男性が一方的に購入したのであれば、これを支払えというのは無理でしょう。 しかし、指輪の場合は違います。指輪は、想定の範囲内ですから。

kabsさんの意見:
まあ、明日、会社で顧問弁護士さんに聞いてみますから。 その結果をお答えします。 ただ11時半頃に大学時代のゼミ仲間には電話では聞いてみたんですけど 「全額はさすがに無理だと思う。慰謝料の上乗せ要因にはなるけど。それでも、良くて差額の30%くらいじゃないかな。」ということでした。 あ、ちなみにこの仲間は現在、司法書士さんです。 マンションの例はさすがに極論過ぎちゃったですね。

 相変わらず活発な議論がなされている。(^~^;)
 瓦版さんの意見も尤もであるが、慰謝料には指輪の差額も含まれている、というのが自分の考え。
 もし指輪の差額を回収したいなら、単に慰謝料の増額を求めればいい、と思う。

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